西ブログブルク公国

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海賊(私掠船)

最近、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」が公開されていますが、皆さんもうご覧になりましたか? 私はまだ観ていません。前作の「パイレーツ・オブ・カリビアン - 呪われた海賊たち」もまだ観ていません。今回はパイレーツ即ち海賊についてちょっと説明したいと思います。

海賊と言うと、自分勝手に船を襲っているアウトローと思われがちですが、実は各国の君主(国家)から許可証(私掠許可証、私拿捕許可証)を得て海賊をしていることがあります。簡単に説明すると、敵国の海上交通を遮断して経済的打撃を与えるために、昔は海賊を行う許可証を君主(国家)が個人に与えていたのです。そして戦利品の半分は君主(国家)に献上され、半分は報酬として海賊に与えられました(報酬の分配率は地域と時代により違いが有ると思います・・・)。このような海賊は、私掠船とか私拿捕船と呼ばれています。もちろん、君主(国家)の許可無しで行う海賊は只の海賊行為なので、処罰の対象になります。

ところで、上記の映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」や東京ディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」と、カリブ海と言えば海賊と言う位海賊で有名です。これは大航海時代に新大陸(アメリカ大陸)に進出したスペイン王国が、新大陸で産出する金塊や銀塊などをカリブ海沿岸の港から船団を組んでスペイン王国に輸送していたことに起因します。当時のスペイン王国は、新大陸の金銀財宝(主に銀)で大変な国力を誇っていました。そして折しもヨーロッパは宗教改革の時代に突入し、旧教(カトリック)側のスペイン王国(君主:フェリペ二世)と、新教(プロテスタント)側のイングランド王国(君主:エリザベス一世)は対立を深めていました。また、スペイン王国の属州だったネーデルラント(君主:オラニエ公ウィレム(ウィレム一世)、後のオランダ王国)も、新教(プロテスタント)を弾圧するスペイン王国に反発し、独立運動を行っていました。そしてイングランド王国とネーデルラントは私掠許可証を出して海賊行為を許可し、スペイン王国の海上交通の破壊を行いました。その舞台となったのがカリブ海だったのです。

イングランド王国の有名な私掠船船長にフランシス・ドレーク船長がいます。ドレーク船長はゴールデン・ハインド号を旗艦とする5隻の船団でスペイン船団に対して私掠活動を行い、莫大な戦利品を獲得、それをエリザベス一世に献上しました。その金額は30万ポンド以上と言われ、同時の国庫収入よりも多かったと言われています。ドレーク船長はこの功績によりエリザベス一世からナイトの称号を授与され、海軍中将に任命されました。またドレーク船長はその後、イングランド艦隊副司令に任命され、スペイン無敵艦隊(アルマダ)との海戦ではイングランド艦隊の実質的な指揮を執り、スペイン無敵艦隊を壊滅させました。

ネーデルラントでは海乞食(ゼーゴイセン)と呼ばれる海上で反スペイン活動を行う集団がいました。この海乞食が主に私掠活動とスペイン支配地の攻撃を行っていました。有名処では、ルーメイ・ウィレム・ファン・デル・マルク伯爵率いる24隻の海乞食がオラニエ公ウィレムの蜂起に呼応してスペイン支配の都市を占領しています。

その他、君主(国家)によって私掠船が認められたケースとしては、

・ナポレオン戦争におけるフランス私掠船
 →交戦国・中立国の船団を略奪して大陸封鎖令を支援

・アメリカ南北戦争における南部連合政府私掠船
 →圧倒的に優勢な北部政府海軍により鎮圧され失敗

がありますが、1856年のパリ宣言でヨーロッパ列強は私掠船の利用を放棄しました。さらに1907年のハーグ平和会議で武装した商船は軍艦として登録されるべきことが国際法として規定され、アメリカ合衆国を含む諸国もそれに従い、私掠船の慣習は消滅したそうです。なお、第一次世界大戦で「最後の海賊」と呼ばれたフェリックス・フォン・ルックナー伯爵が指揮して通商破壊戦を行った帆船ゼーアドラー号は、歴としたドイツ帝国海軍所属の仮装巡洋艦ですので私掠船ではありません。

最後に、カリブ海は多くの海賊が出没する危険な海域でしたが、それ以外にも危険がありました。カリブ海はハリケーンが発生する海域です。そのため、ハリケーンに遭遇して沈没するスペイン船も多く、現在でも積み荷の財宝と一緒に引き上げられて話題になったりします。嵐の後の海岸には、金貨や銀貨などが打ち上げられることがあるそうです。

<公爵の独り言>
そういえば昔「パイレーツ」と言う女性グループがありましたね。

テーマ:パイレーツ・オブ・カリビアン - ジャンル:映画

  1. 2006/07/23(日) 03:52:46|
  2. 王侯貴族・ローマ法王
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